ユナイテッドコラボレーション第5回公演
ヘッダ・ガーブレルの死
The Death of Hedda Gabler
暇で退屈だけれど自分では何をしたらいいのか分らない。
そして何もしない。
でも他人の成功には平静でいられない。
強そうで臆病、望みが高いが平凡、気位が高いくせ嫉妬深い」
複雑で矛盾した女性――
本にはこんなふうに紹介されています。
ヘッダ・ガーブレル。
全然、優しい女じゃないんです。
ヤな女です。
自己中心的。
自分では何もせず、人から手を差し伸べられるのを待っているくせに
笑顔で受け容れることも、拒絶することも出来ない。
計算高い(けど、浅はか)
ものすごく、意地悪。
でも、このひと、すごく正直。
退屈や憂鬱や自分のなかの悪意から目をそらさない。
前向きじゃない、でも、後ろも振り返らない。
いまここにしかいない。
ヘッダは勇敢なことに憧れています。
けれど、周囲は凡庸さ、俗っぽさで溢れている。
参加する価値のない世界を、彼女は軽蔑を持ってただ眺めています。
一見、自由奔放なようにみえて、
その実、目的の欠如といいようのない焦燥感を抱えている――
その姿は、現代のひとびとの姿にも重なります。
イプセンがこの作品を発表した当時、ヘッダという人間像は不可解であると
ずいぶん非難されたそうです。
みなさまはどうお感じになるでしょうか。
私たちのヘッダを、どうぞご覧下さい。

Henrik Complexとは、ヘンリック・イプセンの作品を上演していくことを目的とした企画です。
私たちTUCは、近・現代劇の原点であるヘンリック・イプセンの作品に取り組むことで、改めて演劇の面白さや奥深さを確認し、札幌ではなかなか観られない作品を観客の皆様にお届けしていこうという思いでこの企画をスタートしました。
今後シリーズ化しイプセンの作品に取り組んでいきますが、最終的には、同名のTUCオリジナル作品『Henrik Complex』を上演する予定になっております。
この企画を通し、私たちの演技力・演出力の向上はもちろん、観客の皆様と共に札幌の演劇シーンに新たな風を起こしていきたいと考えておりますので、今後ともHenrik Complexを宜しくお願いいたします。
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ご来場いただきまして誠にありがとうございました!
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