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The United Collaboration 6th stage
今回は、この物語の「藪」にスポットを当ててみました。「藪」とは理性と本能、秩序と混沌を隔てる垣根であり、「藪」に隔てられた場所では人間本来の「欲望」が剥き出しになる。日常では理性の鎖に縛られている人間が非日常の世界で見せる姿を、身体表現や「音」を用いて描きます。
男の死体 山科から若狭に向かう山中で男の死体が発見された。第1発見者の木樵、事件の前日に被害者とその妻を目撃した旅法師、容疑者を捕らえた放免、被害者の妻の母親…それぞれの証言から、男は若狭国国府の侍、金沢の武弘(たけひろ)と判明した。連れ立っていたのは妻の真砂(まさご)、彼女の行方はわからない。殺人の容疑をかけられたのは、洛中を騒がす盗人、多襄丸(たじょうまる)である。
真砂が懺悔した内容では、強姦されたところを夫に見られ、蔑んだ目で見られたことにショックを受け、夫を自分の手で殺したと言っている。
多襄丸は2人をだまして藪の中へ連れ込み、男を縛り付け女を手込めにしたと告白している。その後女の情にほだされ、男の縄を解いて決闘し、武弘を殺したと犯行を認めている。
武弘の死霊が巫女の口を借りて語った話によれば、妻は手込めにされた後うっとりと盗人の言葉に聴き入り、手をとられて藪の外へ出て行こうとした。そして自分を指差し狂ったように「あの人を殺して下さい」と叫んだ。藪の中に一人残された自分は小刀で胸を突いて自害した…ということである。
芥川龍之介「藪の中」について
ご来場誠にありがとうございました。 近日中に本公演の写真をアップ致します。
CAST 真 砂・・・高橋 千尋
STAFF 演出・・・・・・・・・・・甲斐 大輔
<日時>
<場所>
主 催 札幌市民芸術祭実行委員会 札幌市
平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
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